私は、日本で10年以上勤めた職場を辞めて、夫の駐在に帯同してきました。
渡航前は、
現地の生活に慣れたら、絶対に働くんだ!
と(前のめり気味に)思っていました。
家の外に「自分の所属がない」という状態が、どうしても想像できなかったから。
でも、一年経った今現在は、「やっぱり駐在妻(専業主婦)のままがいい」という考えに。
自ら「働かない選択肢」を選んでいます。
今回の記事は、「なぜ考えが変わったか」のお話です。
【こんな人におすすめ】
・帯同中、現地就労を迷っている人
・就労に「何を求めてるのか」、他の人の考え例を知りたい人
・駐在共働きの育児分担で「何がネックなのか」知りたい人
※子連れ前提で書いています
なぜ気持ちが変わったか
なぜ、「やっぱり駐在妻がいい」に変わったのか。
今だから自覚してる。「本音」はきっと…
今あるものを手放したくない(小声)
この裏に色々あるけど、まあ突き詰めるとコレ↑に尽きる。
「今あるもの」とは私にとって、「心の余裕」と「時間」です。
一度「ある」状態を知っちゃったからねぇ…(笑)
変わった経緯
踏ん切りが付かずにいた
渡航前には「慣れた頃には働く!」と心を決めていた私ですが、
そして日本から既にRGFとかパーソルに登録・担当者とやりとりしてたんですが、
実は渡航後、生活にそこそこ慣れた後も、就活切り替えへの踏ん切りが付かずにいました。
- 「いいメイドさん(子守)が見つかってない」とか
- 「帯同者の就労は禁止されてるからハードルが高い」とか
自分に対して色々理由をつけてたけど、本当は、
先に書いた「手放したくないという本音」に気づいてなかったんだと思う。
本音に気づいたキッカケ
気持ちが変わった(=本音に気づいた)キッカケは、渡航10か月頃のこと。
一度「働く前提で、一日の流れをシミュレーションしてみたこと」でした。
これが、全くワクワクしなかったのよ。(笑)
「オンライン勤務ありき」で2パターン想定してみたんだけど、
なんか、私ばっかり頑張ることにならん?
って思っちゃって。
夫婦で育児を分担するのが日本より難しく、
「私の現状の生活に、オントップで仕事が乗っかる」
ことに、明確に気づいたわけです。
「案ずるより産むがやすし」みたいなやつですね。
●関連記事:
なぜワクワクしなかったか
なぜ、ワクワクしなかったのか。
これを紐解くには、「私はなぜ、働きたかったのか?」、その本音から語る必要があると思います。
「いいとこどり」はできない
たぶん、以前の私が「働きたい」と思っていたその本音は、
いいとこどりしたい!
だったと思う。
どういうことかというと、
・何らかのタスクを通して「自分の価値観」を感じていたいから、仕事は「適度に」欲しい。
・同時に、たまには「遊びたい」。
「遊びたい」とは具体的には…
【駐在妻ライフ的なおたのしみ】
- オンライン勤務をうまく活用して、たまには「駐在妻の友達」と平日ランチも行きたい。
【ワーカー的なおたのしみ】
- 平日夜、週1回くらいはリフレッシュに出かけたい(夫と育児担当を交代)。
- 「働いてる友達」と飲みやランチを楽しみたい。
つまり、平たく言うと「両方ほしい!」
わがままw
でも、超本音じゃない?(笑)
つまり、ワクワクしなかった理由は、
タイムスケジュールを引いてみたことによって現実が可視化され、
私が妄想していた「いいとこどり」の花絵面は、実現できないな。
と気づいたから。
駐在妻の就労、日本と違って何がネック?
私にとって、「決定的に日本と違うこと」は、以下2点でした。
・保育園がないこと。
・私が非正規雇用になることで、子供のイレギュラー対応のもっぱら吸収役になってしまうこと。
我が家の共働き時代
もう少しイメージしやすくするために、「私の共働き時代」について書いておきますね。
【我が家のオペレーション】@日本
- 7~19時 保育園
- 朝担当:夫(子供を起こしてから、園に送るまで全部)
- 夜担当:私(お迎え~寝かしつけまで全部)
- 水曜日(振替可)は「朝夜交代」
ポイントは、
・朝担当は「園に連れて行くだけ」じゃなくて、起こす・朝食・歯磨き・着替えなど全部が含まれること。
・保育園の呼出対応は「夜担当」と明確に決めたこと。
つまり私は、水曜日には、飲み会やリフレッシュを入れることができました。
それも、呼出に左右されない「確約ベース」で。
ついでに言うと、「朝の子供マターがゼロ」になることで、残業は「朝、吸い取れた」。
※かなり協力を得られていた方だと自覚してます。夫氏ありがとーう!
なお、夫婦ともにフルタイム正社員で、フレックス(例:発熱呼出で3時間早上がりした代わりに、「別日に1時間早く仕事スタート×3回」でフル勤務扱い)が可能でした。
つまり、私はこの「日本と同じ前提で」働きたいと思っていたわけです。
「日本と同じ前提」はムリ
でも、シミュレーションの結果、悟りました。
駐在妻が働くなら、「日本と全く同じ」育児分担は、ムリです。
だって、日本とは環境が違うもの。
本当に働きたいなら、何かを譲らなきゃいけない。
でも私は、何も譲りたくなかった…(笑)
保育園がない
- 「朝7時オープン・近所」のような保育園がないから、
- かつ夫の管轄範囲が広いから(例えば朝イチで打ち合わせ@チカラン*もありうる)、
「朝担当」を夫に任せられない日は頻繁に出ます。
また、
- 「幼稚園」だと親の出番も多いし、
- 「クリスマスで3週間休み**」とか、「イベントで午前解散」もよくあります。
*ジャカルタから片道2時間。
**休みが少ない園もあります(ただし選択肢は狭まる)。我が子は今の園を気に入っているため、転園しない前提で検討しました。
非正規雇用
現地採用で働く場合、私は「日系企業の契約社員@オフィス勤務」をイメージしていました。
(営業補佐、総務・経理など)
駐在員と現地採用では、給与も責任の範囲も違います。
少なくとも日系企業では。
例えば
- 出張があるか?
- 役員説明があるか?
- 重要顧客の外営業があるか?
など、担当業務の重みが違ってくるはずです。
つまり、育児系の「メイドさんでカバーできない事態」への「融通しやすさ」でいうと、
どうしても非正規雇用(妻)の方が受け皿になっちゃうと私は思う。(認めたくないけど)
育児分担は夫婦間の話し合い次第とはいえ、その「構造的な違い」は夫婦間だけじゃどうにもならない。
(これは日本でも同じことが言えます。)
え?日本の共働きでも全部私(妻)がやってたよ?
って人も、きっと、いるよね。(すごい…やりたくてやってるわけじゃないと思うけど、でもすごい涙)
そういう人は、メイドさんさえ見つかれば一旦クリアなのかな…?
正直、そこはよくわかりません。
「想定と相違ないか」、自分のパターンでシミュレーションしてみてね
別の形で満たすことに
これ(私の求める育児分担はムリ)に気づいたとき、思い出した言葉がありました。
きっと甘ママさんが「仕事」から求めてるものって、
「お金」じゃないよね。
ボランティアとか…いいの、あるかもよ
僕の妻は、駐在妻時代、ご縁があってバーでピアノ演奏をしてたよ。
無償だったけど、生き生きしてた。
上記は、職場を辞める前、「現地で働きたいんです!!!!」を宣言していた私に、
とある上司(別の国に駐在経験のある人)が、ゆっくりと、穏やかに、話してくれたものです。
・・・!
正直、言われたときは一瞬返事に詰まりました。
だって、労働と対価はセットだと思ってたから…。
あと私、ぶっちゃけ「現地採用で働いてます」って一度言ってみたかったのよ。
その一言に含まれるバリューとか、拍が付く感じ、欲しかったんだと思う(笑)
きっと元上司は、
- 「私(駐在妻)の就労が、通常、夫側の勤務先から制限されること」
- 「駐在妻の具体的な生活イメージ」
みたいなものを全部分かったうえで、
私が前のめりすぎるのを気にかけて言ってくれたんだと思います。
言われてみると、確かに私は、一番に「お金」を求めていたわけではなかったと思う。
もちろん収入は付いてくるに越したことはないけど、
一番は「社会とのつながり・貢献感、家の外のコミュニティが欲しかった」。
そしてこの欲求は、
今あるもの(=時間と余裕)を失うことなく、
別の形で満たすことができるのかもしれない
と、今では思っています。
(具体的には、このブログサイトを運営したり、Kindle本を執筆したり、色々試してみてる)
- 変なプライドを捨てるのに時間はかかったけど、
- あとこの先考えが変わるかもしれないけど、
今現在においては後悔してないよ。
むしろスッキリして駐在妻を満喫してる
※【参考】なお、駐在妻(帯同者)の現地採用は、「残年数が3年以上ないと厳しいらしい」との話も知人(帯同者としてベトナムで就職した人)から聞きました。
私は「考えが変わったら、そのときにまた就職考えたらいいかな」とは思っていますが、一方で、
その頃には高確率で残り3年を切ってるので、「実際は難しいかもな」(=結局ずっと駐在妻のままかもな)と思ってもいます。
まあ、なるようになるかと。
まとめ
今回の記事では、
・「現地採用で働きたい!!」から「やっぱり駐在妻がいい」に変わった「経緯」と、
・その背景にあった「本音」(失いたくない・いいとこどりしたい)、
・非正規雇用による問題点(受け皿がいつも妻になる)
について、思うことを正直ベースで書いてみました。
駐在妻って、期間限定で色々立ち止まって考えられる、すごくいい機会だと思います。
「働かない選択肢」も、個人的にはアリだと思う。
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